『むせる』は、TV版OPテーマ『炎のさだめ』の歌詞のいちフレーズ『炎の匂い/しみついてむせる』からきている。
OPでは、廃墟の中こちらに歩を進めるキリコが歌詞テロップ『ほのおのにおい しみついて』で揺らめく炎をバックにしたシルエットとなり、『むせる』で頭部のアップになる、という演出がされている。
この、男の肩から上のシルエットに歌詞テロップ三文字
む せ る
(模式図)
の画が一部のネットユーザの心をわしづかみにしたのか、ボトムズやボトムズネタ、ボトムズっぽい何かに対して『むせる』の一言が賛美として捧げられるようになった。
画像検索で『むせる』と検索するとOPの当該カットやそれを元にしたネタ画像などが多数引っかかり、
ニコ百の『むせる』の項に至ってはボトムズの劇中等に出てきた名ゼリフ集の様相を呈している(?)。
『炎のさだめ』では染み付いた炎の臭いにむせびかえっているが、劇中でも『硝煙の臭い』が戦場を象徴する言葉として使われ、それがそのまま『装甲騎兵ボトムズ』という作品自体の特徴を指す言葉としても、鑑賞者たちの間で使われている。
そして硝煙の臭いは、
キリコ・キュービィーの象徴となっている。なにしろキリコ自身『硝煙と死臭の中でしか生きられない』人間と自認していたりするし、予告では『キリコの体に染み付いた硝煙の臭い』というフレーズも登場する。
(続く)