当惑するキリコに、ロッチナは『真実を知りたくばクエントへ行け』と促し、バララントの戦艦から小型挺でキリコをクエントへ送り出す。
クエント唯一の都市・ゴモルで一悶着あった後、
ル・シャッコ?と再開したキリコは、彼とともに砂漠を渡り、秘密結社の
アロンとグラン?がよこした刺客を退けつつシャッコの故郷の谷へいたる。
しかし、村の長
テダヤ?や長老
メジ?の示唆に満足できないキリコは、谷の奥に眠る古代クエント文明の遺産に触れようとする。しかしそこに現れたアロンとグランの振る舞いにより、古代クエントのシステムはアロンとグランを遠くに転送する、という驚異的な挙動をする。
その後、再度古代クエントの力に触れようと画策するアロンとグランの無謀を知ったキリコとシャッコは、再び二人を追って、古代クエント文明の遺産のひとつたるゴモルの塔へ向かう。
ゴモルの塔でアロンとグランが侵入させたAT50機が消滅するのを見てキリコたちは再び驚愕する。しかしそれだけではなかった。塔の深部で突然キリコに異変が襲う。古代クエント文明の遺産が、稲光のようなものとともにクエントの歴史をキリコの脳内に流し込んできたのだ。さらに、直後(クエントの『謎の意志』と因縁のある)ロッチナに連れてこられたフィアナと再開し、ロッチナから彼女を奪って共に逃げるが、謎の意志により再びキリコたちはロッチナの前に戻ってきてしまう。
そのままロッチナによりバララントに捕らえられたキリコ、フィアナ、シャッコだが、ロッチナによるギルガメスへのフィアナ引き渡しに乗じてキリコがギルガメスの戦艦内でひと暴れし、フィアナ…だけでなくギルガメスに捕らえられていたゴウトたちをも助ける。
そのことがきっかけで、不可侵宙域・クエントの軌道上でギルガメスとバララントが小競り合いを起こす。だがそれに呼応するように古代クエント文明の遺跡が息を吹き返し、ゴモルの塔の頂上から膨大なエネルギーの奔流を軌道上へと撃ち出し始めた。古代クエントのエネルギー弾はギルガメス、バララントの区別無くすべての兵器を一瞬にして消滅させていった。
エネルギー弾は動力に反応して兵器を消滅させていた。動力源が故障中のバララントの戦艦に逃れていたキリコ一行はエネルギー弾の脅威から辛くも逃れる。しかし彼らはそのまま船籍不明の艦に捕らえられてしまう。その艦は、キリコをさんざん苦しめてきた秘密結社の母艦であった。
母艦に揃った(秘密結社の首領)キリイ、ロッチナ、そしてキリコに、謎の意志…
ワイズマン?からのメッセージが送られる。母艦はコントロールを失い、謎の人工天体へと引き寄せられてゆく。人工天体に到着した後、キリコはキリイ、アロン、グランとともに天体の最深部へと連れられ、首領のキリイを差し置いてワイズマンの意思と接触する(直後、キリイは抹殺される)。
キリコは、そこで自分が生まれながらのPS『異能者』であり、ワイズマンの意志を継ぐ神の後継者であると聞かされる。
ワイズマンの跡を継げというその提案を、キリコは受け入れる。キリコはアロンとグランを直属の部下とし、秘密結社を掌握、ワイズマンが眠るクエントへ、多数の犠牲をもろともせず向かう。権力になびかず、性根の優しいはずのキリコは、そこにはいなかった。
クエントへと至ったキリコは、ル・シャッコと再び対面する。シャッコは古代クエントの
自動防衛機構?の中枢部でキリコの意志を確かめるが、『神の後継者となり、戦争を司る』というキリコの意志は固かった。自動防衛機構の制御装置を破壊し、『お前は嘘をついている!』と叫ぶシャッコ。しかしキリコは彼を撃ち、クエント最後の戦いに赴く。
キリコを待ち構えていたのは、ギルガメス・バララントの連合軍であった。クエント軌道上で両軍を襲った異常事態は、両軍を一つに束ねていた。クエントの地上を覆う両軍のAT。それをキリコは専用機を駆り、多数の護衛を引き連れ、鬼神のごとく屠ってゆく。
遺跡内部で、キリコは枯れを追いかけてきたフィアナと対峙する。今なおキリコのことを信頼し、元のキリコとして戻ってほしいと強く願うフィアナは彼を止めようとするが、あえなく撃退される。
やがてキリコは満身創痍のATを乗り捨て、息も絶え絶えの状態で遺跡の最深部へと至る。そこにはワイズマンの原形質保存装置とともに、宇宙の全権力が眠っていた。
しかしキリコは、ようやく相まみえたワイズマンに対して牙をむく。
全ては、自分の運命を狂わせた戦争を司っていた神を、この手で殺すための演技であった。原形質保存装置をひとつずつ停止させ、神を着々と殺してゆくキリコ。彼を追い、神殺しの場面を見て驚愕し、キリコの行いを愚行と罵るロッチナ。たがそこにキリコにより生かされていたフィアナも加わり、神・ワイズマンは恐らく初めての恐怖を感じながら『絶命』する。
直後、クエントはロッチナが起動させた自爆装置により消滅した。
一年後、一度はクエント事変で手を結んだギルガメスとバララントは、再び交戦状態に陥った。
そんな中、バララントとの戦いでてんてこまいのギルガメス軍のある基地にて、一機の宇宙挺が強奪される。奪ったのはゴウト、ココナ、バニラ、シャッコであった。そして積み荷は、キリコとフィアナを乗せたコールドカプセル。
キリコとフィアナは、自分たちの存在が必ず戦争に利用されてしまうことを悟り、戦争のない世界を求めて、また『ある理由』から長い眠りにつくことを決心した。
宇宙に放流されるカプセル。キリコは出会った仲間たちへの感謝を思いつつ、眠りにつく。