四人がデライダ高地へ向かっていた頃、四人の目的地であるデライダ高地地下の植物園で、ひとりの若い男が目覚めた。傍らに佇む「
プロトワン」と名乗る女から、自分の名が「イプシロン」であり、たった今「誕生」したばかりと知らされる男。
まるで自然の森のようにしつらえられた植物園の中で、フィアナに伴われて、生き物や草花や土と触れ合うイプシロン。しかし彼は、完全なる兵士・
パーフェクトソルジャーとして誕生させられた存在であった。
彼らを作り上げた
秘密結社?の
ボロー?は、攻撃衝動を組み込まれたPSに対して人間としての知識を与える教育係に、プロトワンをつけたことを危惧を抱いていた。
ボローは、PSの素体として生まれたはずが、誕生段階でキリコと出会ったことにより、プロトワンにはPSとしては有害な情緒反応が多すぎることを指摘する。
そんな矢先、カミキリムシに噛まれたイプシロンは持って生まれた攻撃衝動から、カミキリムシを力の限り叩き潰してしまう。そのことを悲しみ、カミキリムシに悪意はなかったこと、そして「死」(殺し)が哀しいものであると教えようとする。
当然ながらボローはこれを問題ありと判断、イプシロンをプロトワン(フィアナ)から引き離そうとするが、ペールゼンが現れ、「彼女は必要だ」と語る。