秘密結社は、
バカラシティ?郊外の
デライダ高地?にて、二人めのPSを誕生させる。誕生した男性型素体は
イプシロン?と名付けられ、プロトワンと同じくレクチャーが施された。なお、イプシロンの初期の学習にはプロトワンも僅かながら関わっており、そのせいか、イプシロンはプロトワンに対して恋愛ともシンパシーともつかない愛着のようなものを感じていたようだ。
やがて、PSのより本格的な運用が内戦下のクメン王国で開始される。秘密結社はクメン王国に対立する『
神聖クメン王国?』の支援を表向きの理由にPSを戦力として提供し、クメンの密林をPSのテストフィールドとした。
プロトワンと同様、PS第二号であるイプシロンにも専用の改造ATが与えられた。
タートル系?をベースとした青い筐体のイプシロン専用機は、神聖クメン王国と戦う最前線の傭兵から『ブルーAT』と呼ばれ恐れられた。
ここで、再び第一号PSであるプロトワンの瑕疵、『レクチャー前の遭遇』による混乱は、誕生前に遭遇したキリコとクメンで再会したことにより加速する。あろうことか彼女はPSにはあるまじき厭戦感を抱え、さらにはイプシロンと対決し敗れ去ろうとしていたキリコを見て、反抗の末脱走するに至る(また手塩にかけたイプシロンすら、脱走したプロトワンを愛着故に助けてしまうという事態が発生する)
手に負えないと判断した秘密結社はプロトワンの破棄・抹殺を決定するが、クメンの地において成されることはなかった。
なお、クメン内戦の最末期に(既存機種の改造ではなく)新規開発された初のPS専用ATが投入され、『ブルーAT』同様最前線の兵士を震撼させたものの、神聖クメン王国の指導者の『意図』もあり、戦局を変えるには至らなかった
秘密結社は残った二号PS、イプシロンの運用を続けた。神聖クメン王国からの脱出後、イプシロンには、謎の戦艦に乗りバララント宙域を横切り不可侵宙域へ至るキリコとプロトワン…いや、キリコにより『フィアナ』と名付けられた女を追跡し抹殺する、という使命が与えられた。
クメンでの因縁からキリコへの憎悪を募らせるイプシロンは惑星
サンサ?に到達した二人を執念く追い詰めるが、やがてイプシロンとキリコは、互いの直接対決が避け得ぬものと認識し始める。