惑星ロウムスの大河・タイバス。ギルガメス軍は対岸のバララント占領地へ夥しいATを差し向け、渡河作戦を敢行しようとしていた。その中には、レッドショルダーから転属させられた
キリコ・キュービィーもいた。おりからの悪条件と、敵軍から浴びせかけられる弾雨の中、タイバスの河岸は阿鼻叫喚の様相を呈していた。
一方その頃、レッドショルダーの父たる
ペールゼンは、レッドショルダー隊員虐殺のかどで軍事法廷にかけられていた。有無を言わさず、弁護人もつけないペールゼンを責め立てる法廷。そこに一人の男が現れる。情報省次官・
ウォッカム?。彼はペールゼンが未だ危険な存在であることを示す。すると茫然自失に見えたペールゼンは、突如として発狂。ペールゼンの身柄は、かくして情報省の元にわたる。
キリコはタイバス渡河作戦の激戦から「またしても」奇跡的に生き残り、深手を負ったまま最前線の惑星
ガレアデ?に転属させられる。ガレアデで待ちかまえていたのは、彼を襲う謎の青年、そしてその謎の青年をも組み入れた分隊・
バーコフ分隊?であった。
ペールゼンは、惑星クズスクにある政治犯医療収容所に収監され、ウォッカムにより最新技術の粋を結した責め苦を味わう。
ガレアデで新たな仲間とともに苦難に苛まれるキリコと、クズスクに囚われ責め立てられるペールゼン。その二人の間を結ぶのは、「ペールゼン・ファイル」という記録ファイル、そして「
異能生存体」というキーワードであった。
そしてその二つの要素は、ウォッカムに危険な誘惑を仕掛ける。穏当に終戦に向かうはずのアストラギウス銀河の運命は、ペールゼン・ファイルと異能生存体、そしてウォッカムの野心が混交されることにより、致命的かつ劇的な事態を迎える…