ボトムズ脳になりかけている男が、独断と偏見で『装甲騎兵ボトムズ』劇中内用語について語ったり語らなかったり、アストラギウス銀河の世界観に関して妄想をぶちまけたりするWiki。

第3話『巡礼』あらすじ

ジアゴノはアレギウム根本聖堂で行われている長老会議は、次期法皇候補モンテウェルズ枢機卿とグノー枢機卿を支持する陣営同士の議論で紛糾していた。
モンテウェルズ枢機卿はネクスタントによる「触れ得ざる者」キリコの抹殺を土産に乗り込んだが、対立するグノー枢機卿陣営のノスコヴィッツからは、類人兵器・ネクスタントが(マーティアルから異端として排除された者たちが関わった)PSの、そしてPS計画が生み出した「キリコを倒すことでアレギウムの権威を超越できる」という思想の延長上にある「異端」であることを強調する。
それに対し、モンテウェルズはPSではなくATがキリコという化け物を生み出したと反論、さらにPS計画の破綻は信仰に裏打ちされた人間性を無視し、脳にプログラムされた攻撃衝動のみに頼った、つまり「神を見失った」ことが原因と説く。対してネクスタントは、未加工・無改造・未洗脳の生まれながらの精神(脳髄)と戦闘支援システムたる補助脳を組み合わせたものであり、補助脳こそが信仰を守りゆく「黄金の脳髄」であると主張する。
そして同席していた、ネクスタントたる娘・テイタニアに、彼は命ずる。(ネクスタントがいかなるもので、いかにPSと異なるかを具体的に提示するために)服を脱げ、と。
少なからぬ衝撃を受けつつ、テイタニアは長老たちの前で、命じられるままにその体を曝すことに。

その後テイタニアは、根本聖堂の書物庫にて、ある老人と遭遇する。アレギウムでキリコの記録を編纂し続ける者…それは、あのロッチナ?であった。
テイタニアは、「触れ得ざる者」として封印され続けてきたキリコが、コンプラント戦ではただ逃げ惑うばかりであり、特異さが感じられなかったことをロッチナに告げるが、ロッチナからは逆に、葬ったはずのキリコの死を確信していないのではないかと指摘される。
さらにその後、キリコの生存が確認されたという報ももたらされ、彼女は父、モンテウェルズへキリコ追撃を主張するが、モンテウェルズは言う。「手は打ってある…いや、予定通りだ。今はただ、待てばよいのだ」と。

キリコ追撃を制止されたテイタニアは、再びロッチナとキリコ、そしてフィアナについて語らう。
人間兵器の素体たるフィアナは、空白に攻撃衝動をプログラムされ、それが人格の基底となり、そこに自我が形成される予定だった。しかしそれ以前にキリコを目撃したことで、彼と宿命的に結びついた。しかし…むしろフィアナだけがキリコを支配した、とロッチナは語る。
そこでテイタニアはある疑問を差し挟む…キリコはなぜ32年前、フィアナと共にコールドカプセルに入ったのか。
コールドスリープに入れば、自らの意思で目覚めることはできない。故にそれはある種の自殺行為に近い。しかし、キリコが死を選ぶような人間とは思えない。キリコがコールドスリープ前に語った行き先の「戦いのない世の中へ」も、絵空事じみていて、尚更信じがたい。
テイタニアにも、長年キリコを追い続けたロッチナにも、その真意は解けない。ただ、二人はその答えが、フィアナに関わっていると踏む。

書物庫を後にするテイタニアに、「あの女に嫉妬している! キリコに惹かれていく者として、女として、人間兵器として、三重に!」とロッチナは叫ぶ。テイタニアはネクスタント(未加工の脳髄+補助脳)とPS(初めから戦闘に特化した処理がされた脳)とは違うと反発するが、ロッチナは忠告する。

「フィアナは脳を加工されたからこそ苦悩を自覚できたが、補助脳に頼るネクスタントには、苦悩を自覚できない」

娘にではなく、その補助脳のことを気にかけるモンテウェルズの態度は、それを裏付けるようでもあった。

その頃、マナウラはイリーシン市郊外、政府軍の陸上戦艦にゴディバ軍医長が召喚される。司令官は、ゴディバが治療している「兵士でもない男」が触れ得ざる者・キリコ・キュービィーであると伝え、キリコの監視を命ずる。しかしゴディバは(短期間で致命的な重傷から完治した)キリコを監視せず、一部始終を話す。
ゴディバも元々はアレギウムにおり、ソノバ議定書に反して、医学的見地からキリコやフィアナを見逃すわけにはいかないと主張し、破門されたという過去を持っていたのだった。ゴディバはキリコに同行し、近傍の宇宙港へ、半蘇生状態で運ばれたフィアナの救出を手伝うことにする。

二人はトラック一台でATや陸上戦艦の追跡を巻き、宇宙港へと至るが、フィアナは既にジアゴノへと輸送されていた。辺境であるマナウラからジアゴノへの直行便はなく、乗り継いで三週間もかかるが、半蘇生状態の生存限度は二週間。手詰まりか…
と思われたそのとき、彼らは、アレギウムでの次期法皇指名に伴い、ジアゴノへ巡礼者を輸送するチャーター便が出ることを知る。巡礼者たちに混ざって、二人はジアゴノへのチャーター便に乗り込む…


解説

次回(第四話)予告

誰が仕組むのか、誰が望むのか
満ちるものが満ち、撓(たわ)むものが撓む
溜められたエネルギーが出口を求めて沸騰する
欲望と野心、策謀と疑惑、誇りと意地
舞台が整い役者が揃えば、暴走が始まる
そして先頭を走るのは、いつも、あいつ!
「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端」第四話 「臨界」

メルトダウン、始まる。

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