文明封印の結果、クエント人は惑星地表にあるあまたの『裂け目』の底で原始的ともいえる慎ましやかな暮らしを営むに至る。文明の利器を使うことをほとんどやめ、どころか文明、特に自らが住むクエントの古代文明との接触を戒めるように掟を作り、クエントの産業は
クエント素子?と傭兵の輸出しかない、と言われるほどに質素な種族となった。
クエント人の暮らしぶりは、衣服は古風な貫頭衣、家は裂け目の壁面を穿って作ったもの、食器は土器らしきものや樹木をくり抜いて作ったらしきもの…と、3000年前まで高度な文明を持っていたとは思えない、ともすれば原始的にも見えるほどである。
ル・シャッコの話からすると、ほとんどのクエント人はあまり外界と接触することなく生涯を谷の底で送るようで、それ故なのか交通機関などは整備されていない。
クエント人は性的役割分担意識が強いらしく、劇中では男性が主に傭兵(ただし外伝では女性のクエント人傭兵も登場することがある)、女性が
クエント素子?採集を生業としているようだ。特に遺跡内にあるクエント素子採集場は女性しか立ち入ってはいけないという掟まで作られている。
傭兵として優秀なクエント人だが、『この星では戦わない』という掟がある。恐らくは性格的な面からと、争いが文明の発展と異能者の誕生を促しかねないという面からこのような掟を作ったのかもしれない。また古代クエント文明の
自動防衛機構?を目覚めさせないため、という面もあったかもしれないが、ヌルゲラント転送後も掟は継続している。
そのためか、クエント人の集落には(少なくとも近代的な)武器は存在しない。シャッコは槍や鉈を携行していたので、あるとすればそういった打突武器や刃物程度かもしれない。