スコープドッグ以前に開発され、直接の原型機になったと思われる機種に、ATM-04「クルーウェルドッグ」とATM-08-MC「スペンディングウルフ」がある。
ATM-04「クルーウェルドッグ」は「プレ・スコープドッグ」の別名を持ち
*2、カートリッジ式アームパンチの前駆とも言うべき「ロケット噴射式アームパンチ」(肘部の噴射口からのロケット噴射でパンチの破壊力を増加させる機構)を装備している。しかし当時のマニピュレータがパンチの衝撃に耐えられなかったため、手甲部に保護用装甲の追加を要しており、スコープドッグと比するとやはり発展途上であることを感じずにいられない。
ATM-08-MC
*3「スペンディングウルフ」(「送り狼」の意
*4)も、資料によっては「最初のドッグ系AT」と呼ばれている。この機体は搭乗者の生還率を高める装備がなされており、任務遂行率の高さもあって評価は高かったが、直系となるスコープドッグからはコストの関係から、搭乗者の生還に寄与する機構が撤去されている。
なお、「スコープドッグ」という名称はペットネームの由来なのな「狼(スペンディングウルフ)より劣る犬」という皮肉から名付けられたという説がある
*5。安全性を担保する装備を排除した結果、逆に死と隣り合わせの危険性を担保することになったスコープドッグの実状を見ると、割合真実味がある話のように思えてしまう。
(どちらがスコープドッグの「ご先祖」なのかについては後に考察する)
ATM-09系やその原型となった機体以外にも、H級の機体に「ドッグ」の入ったペットネームを持つものが存在する。秘密結社にて開発・運用されたPS用ATの「ストライクドッグ」「ラビドリードッグ」(X・ATH-02/X・ATH-02-DT)がその代表で、これらの機体はサイズこそH級ではあるが、外見はスコープドッグのそれをある程度踏襲している。
これらの機体がスコープドッグとどの程度設計が共通しているかは未知数である。しかし、秘密結社と合流したレッドショルダー残党が使用していたH級AT「ブラッドサッカー」が元々はギルガメス軍によりスコープドッグの後継機(資料によってはATH-10-ST「グラントリードッグ」とされる)として開発されていたことを考えると、「ドッグ」の名を持つ秘密結社製H級ATがその流れをくんでいることは想像に難くない。
(詳細は
ストライクドッグ?の項にて説明する)
他にもH級でありながら「ドッグ」の名を頂いた機体に、ATH-11-SA「ガスティドッグ」が存在するが、こちらは秘密結社製ではなくれっきとしたギルガメス軍の試作機である