メルキアはパレギア大陸の中央にある自由交易都市・グルフェーを訪れるキリコ。到着直前でメルキア中央軍の『黒い稲妻旅団』の洗礼を受けるもののそれを退け、バニラ、ココナ、ゴウトと再会する。
マーティアルから庇護を受け戦火を逃れ続けていたはずのグルフェーは、『アレギュウムの赫い霍乱』によるマーティアルの汎銀河的権威の失墜からその庇護が揺さぶられ、危うい状態にあった。グレン・パッツラー中将の個人的野心から、彼の指揮下にある『黒い稲妻旅団』によりグルフェーへ通じる道路(グウルグゥール)は全て封鎖され、街には今にも戦が始まらんとする緊張と、戦をあてにした者たちに満ちていた。
またその緊張に乗じ、武闘派ギャッシルマンはマーティアルの教義を説き若者を焚き付けてグループ『赤い牡牛』を形成、黒い稲妻旅団への抵抗を煽っていた。悪いことに、バートラー家の次男・ソルティオもそれになびき、父に内緒でバニラ商会では御法度のATや武器弾薬類を発注していた。
マーティアルは、グルフェーの要請に従い『
秩序の盾?』
テイタニア?をグルフェーに派遣する。ギャッシルマン率いる『赤い牡牛』もそれを歓迎、共闘の約束を取り付ける。
そんな中ソルティオの発注したATが到着するが、(それを知っていた、というか協力者のギャッシルマンを通じて仕掛けた)黒い稲妻旅団の指揮官クルトル・フランガー大佐により、グルフェーの五つの門を封鎖するようにATが配置されることになった。グルフェーに緊張が走るが、律法院の要請で派遣理由を問いただしに赴いたテイタニアがATを破ったことにより、グルフェーでは黒い稲妻旅団への抵抗の機運が高まる。
『赤い牡牛グループ』のギャッシルマンは、ある日(テイタニアに帯同しグルフェーを訪れていた)ロッチナと出会う。ロッチナからキリコが死なない存在『異能生存体』であると聞かされ、そのキリコを殺そうと画策する。キリコとギャッシルマンとの初戦はノーゲームに終わるが、今度はその報告を受けたフランガー大佐がキリコ抹殺への野望をかきたてられ、グルフェー律法院に対してキリコの身柄引き渡しを要求する。
キリコはやむを得ず、グルフェー郊外の砂漠で、黒い稲妻旅団の支援を受けたギャッシルマンと再び対峙。結果、ギャッシルマンは負けた上に黒い稲妻旅団に抹殺される。そしてキリコは旅団に捕まることなくグルフェーに帰還する。
訪れた者全てに庇護を与える律法は何としても死守したいグルフェー。バニラ(と彼が参加する『五つの薔薇』)は苦肉の策として、キリコを伴って黒い稲妻旅団の所属するパレギア統合軍本部へ訴えかけることを決めるが失敗。
グルフェー側の打つ手がなくなり、街の有力者や『赤い牡牛』メンバーなどの集まった会議も紛糾する中、キリコは街を出ると言い出す。街を出ればAT一個中隊250機が待ち構える。制止するバニラたちやテイタニアだが、キリコは実は『ある理由』からグルフェーを訪れていたのだった。
深夜、グルフェーを出たキリコを、黒い稲妻旅団が襲う。キリコとの直接対決を望むフランガー大佐も合流、テイタニアもキリコを追って加勢する。だがキリコは戦いの最中、意外な行動に出る…