入隊から二ヶ月、キリコは基地での訓練にも参加せず部屋に籠もっていた。放置することが得策とは思えなかった基地指令の
リーマン?はその対策についてペールゼンに相談するが、ペールゼンの回答は、「絶えざる訓練と精神の強化」により史上最強の軍隊を作るという彼の理念とはかけ離れた、「キリコをそのまま観察せよ」というものであった。
そして彼は言う。「優れた者がいれば、私はそれから目を背けるわけにはいかん」。「奇跡というものを私は目撃した…それは、あるのだ!」と。
そう語るペールゼンの脳裏には、若かりしときに目撃した、奇妙な光景がフラッシュバックしていた。
謎めいた研究所に眠る、緑の泡を纏った胎児。そして爆破され宇宙空間に放たれながらも、ペールゼンを見つめるその胎児の瞳…
ある日、リーマンはグレゴルー、バイマン、ムーザを呼びつける。リーマンはレッドショルダー創始者のペールゼンが生存確率の高い兵士を探しており、キリコがペールゼン直々に選ばれた兵士であることを語る。そしてその生存確率と治癒能力の異様な高さを彼らに明かし、グレゴルーらに「(データ上)不死身に近い」キリコの特異さを検証するよう命令する。
グレゴルーらはキリコの襲撃を敢行する。オドンの基地内で火器を放ちながらハデにキリコを追い回し、取り壊した予定の区画へ追い込むグレゴルーら。カースンの助けを受けるキリコだが、ついにキリコは追い詰められる。
しかし、キリコを抹殺しようとした彼らの目の前で、信じられない光景が繰り広げられる。グレゴルーがキリコの眼前で放ったはずの弾丸が物理法則に逆らうかのように逸れ、ムーザの機関銃は暴発、故障してしまう。