ボトムズ用語を独断と偏見と妄想で語るWiki - TV版第2話

第2話『ウド』あらすじ

軍から脱走して半年後、キリコ・キュービィーはウドに流れ着いた。
戦後の混乱の中、ならず者たちの寄り集まった背徳と暴力の街・ウドで、キリコは運悪く、街を我が物顔で踏み荒らす暴走族『ブーンファミリー?』に捕らえられ、郊外のヂヂリウム?採掘場の人夫にされてしまう。

採掘場である男と知り合うキリコ。過労で体を病みかけていた男は、同士とともに地獄のごとく過酷な採掘場から脱出を図ろうとする。キリコもそれに乗じて脱走しようとするが、採掘されたヂヂリウムの上前をはねていた自警団、治安警察?の署長が殺されているのを目撃し、キリコはブーンファミリーから追われる身となってしまう。

バイクに跨がり死に物狂いで追っ手から逃げるキリコだが、途中転倒してしまいピンチに陥る……と、そのとき、迫る追っ手は何者かにより銃撃され、キリコは九死に一生を得る。

追っ手を銃撃したのは、ロッチナ?の手下であった。ビーコンの埋め込まれたキリコは、未だ軍の情報部により監視衛星から追跡されていたのであった。

やがて、スクラップ置き場に行き着くキリコ。身を隠すように廃ATのコクピットに滑り込み、キリコは少し安堵しつつ、一夜を過ごす。

解説

ロボットアニメであるにもかかわらず、二話にしてロボットがほとんど登場しない。描かれるのは猥雑な街角、幅を利かせる暴力、腐敗しかけた権力、そして赤い酸性雨の降る破壊された環境…といった、戦後の荒れ果てた世界の一端である。第一話がATというメカ、キリコというタフガイ、そして運命を左右する謎の女の顔見せだったのに対し、第二話は荒れ果てた世界観の提示、といったところだろうか。

キリコの周りには敵だらけで、唯一彼に利した採掘場の男(エンドロールでは『ラペ』の名前がつけられている)とは出会って一日もしないで別れる、という有様。キリコが『戦場と同じで地獄だ』と思ってしまうのも無理はない。
人との結びつきを欠いた状況の中を駆け抜けたキリコに、掛け替えのない生涯の仲間ができるのは次回である。情け容赦のない今回の描写は、それを引き立てるもののようにも思える。

ノベライズ版の相違点

  • 折檻されるラペを庇おうとしたキリコが、ラペの制止にこたえて庇うのをやめる
  • 採掘場からの脱走が予め計画されたものになっている
  • 脱走時、ラペがキリコを建物に誘う
  • キリコがヂヂリウムを一掴み失敬する
  • ロッチナの部下の狙撃手によるホロ(追っ手の隈取りアフロ)の銃撃シーンがない

鑑賞メモ(妄想含む)

  • 冒頭の『デブリを消滅させながら軌道を周回する監視衛星』だが、光学兵器やエネルギー兵器が一般的でない中、監視衛星がデブリの排除のためだけ?にビームっぽいものを使ってるのは一体。
    • どことなく終盤に出てくる『クエントの自動防衛機構』っぽさもあるが、あのシステム自体はほぼ未知だったため、目的などが同じであるため似ただけなのかもしれない(やや大仰な言い方をすると収斂進化的な)
  • 街中の看板については、アストラギウス銀河のアルファベットとは異なるものが目立つ。まだ設定が固まっていないためとは思うが、言語体系が一つだけでなく多様であるため、という可能性もなくはない。
  • ブーンのセリフに『薄汚いドブネズミ』という言葉が出てくるが、機甲猟兵メロウリンクでもメロウリンクの口から同じ言葉が出てきてたよね

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